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恒例となったIIJmioミーティングにいってきました。
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早いもので、今回で7回目
場所は東京 飯田橋 IIJ本社です。早いもので、今回で7回目になります。回を増すごとに来場者が増えて、会場後方に椅子席が用意されています。
毎回、嬉しいお土産があります。今回はお水とキャラメル、「痛SIM」の抽選券です。セミナー中は甘いものが欲しくなるので、キャラメルは嬉しいですね。初心者向けセッション、トークセッション、フリートークの三部構成となり、テーマは、「みおふぉん教室:スマホメールの引っ越し方」先日リリースされた「iPhoneのVoLTEをIIJmioで使ってみる&みおふぉんダイアルの話」「MVNOとSIMフリー端末の問題について」です。
てくろぐ: MVNOのメール・iPhone VoLTEとみおふぉんダイアル・Androidスマホの不安定な挙動を調査 (IIJmio meeting 7 資料公開)
みおふぉん教室: スマホメールの引っ越し方
スピーカーは堂前さんです。MVNOの音声通話サービスに変更する際、気になるのがキャリアメールです。
キャリアメールは、ドコモやソフトバンク、auなど独自に行っているメールサービスです。ガラケー全盛期には、手軽にメッセージをやり取りできる手段として、一時代をつくったキャリアメールですが、最近はプライベートなメッセージ系の通信はLINE、ビジネス的なメッセージはGmailやSMS(ショートメール)といった具合に、使い分けている方が増えてきました。
IIJには、セーフティーメールというメールサービスがあります。これはPC用のメールサービスなので、無理に使わなくてもということです。PCに最適化されたメールサービスだと、スマートフォンでの設定も面倒です。
そこで、YahooメールやGmailをスマホメールとして提案されています。キャリアメールの代替ならば、当然、他社のキャリアメールに送信できるだろうユーザーは思います。「みおふぉんはメールが送れない」そうした誤解を避ける意味でも、悪くない提案です。MNPの前に事前にメールアドレスを取得して、友人に通知しておくことや、送信相手先への受信許可設定など、みおふぉんを使ううえでの注意点を説明されていました。
このみおふぉん教室は良いです。古参や皆勤メンバーにとっては、もの足りないかもしれませんが、MVNO SIMカードは説明が必要な商品です。量販店などのイベントスペースで開催すると、ウケるのではないかと思います。
iPhoneのVoLTEをIIJmioで使ってみる&みおふぉんダイアルの話
スピーカーは宮本さんです。ここから、IIJmioミーティングのエンジンがかかります。
みおふぉんダイアルは、2015年4月1日にリリースされました。これはプレフィックスの仕組みを使ったサービスで、電話番号の先頭に「0037-61」をつけて発信すると、通話料が50%割引されます。みおふぉん同士だと、10%の割引となります。割引は合わせて適用されるので、最大60%割引になります。電話回線を使用しているため、050のモバイルIP電話と異なり、通常の携帯電話の通話品質になります。
VoLTEは、音声品質が高く、発着信の処理が早く、周波数帯や設備の利用効率が高まるのが特徴です。それでは、みおふぉんダイアルは、VoLTEでは使えるのかなのですが、これは、CSFB(Circuit Switched FallBack)の経路です。電話回線網に接続する前の段階に、既存のVoLTEではない従来の通話品質の経路を通過します。みおふぉんダイアルの場合、そこを経由して接続されるので、高品質通話は享受できないということでした。
それでも、VoLTEの特徴のひとつである発着信のレスポンスの速さは、享受できるということですが、
iPhoneの場合、電話番号の長さに制限があるようです。先頭につける0037-61がネックになり、利用は可能だけれども、20秒という間隔になってしまうそうです。とても利用品質を満たしていません。回避策は、VoLTEを無効にすることです。無効にすると、3Gの通常の発着信間隔になります。おそらく、他社のプレフィックス型の通話サービスも、同様な結果になる可能性があります。
通常電話回線における通話開始までの時間比較(3GとLTE) – YouTube
MVNOとSIMフリー端末の問題について
スピーカーは大内さんです。このセッションではIIJmioミーティングのアクセルがふまれました。
世界を悩ますAndrodi5.0 Lolipopについての考察です。昨年Nexusシリーズに配信されたAndroid 5.0は、バッテリードレインやメモリリークなど様々な問題を引き起こしています。そのなかでも、APN問題は深刻です。Lolipopは、現在、Nexusシリーズを中心に配信されていますが、比較的、情強な方が好む端末なので、トラブルは自己解決しちゃえみたいな雰囲気ですが、これから世界に広まると、どうなることやらです。
Qualcomm搭載端末の場合、Basebandチップから制御情報を取得することができます。他にも無線区間や基地局シュミレータを使って、取得することが可能ですが、暗号化されていたり、再現性に難があります。
これで何が解析できるかというと、接続シーケンスです。Nexus 5 Android 5.1とMNOドコモAPNとのやり取りです。シーケンスを2回繰り返したあと、次のAPN検索に進まず、LTE認証に失敗しています。3Gにフォールバックして、端末の無線接続能力を3Gとして通知しています。これではAPNサーチを頻繁に繰り返した末に、結局つながらず、バッテリードレインにも影響を与えます。Android 5.0で顕著になった事例で、いわゆるAPN問題です。
似たようなケースとして、認証失敗で接続できない状態になったことがありました。2015年の年明けから発生していた事例で、Nexus端末だけでなく、LTE端末全般で発生しています。これはLolipopではなく、基地局の問題であった可能性が高いということです。接続障害には様々の要因があり、特定の難しさが伺えます。
APN問題には、使用していないAPN情報を削除することが有効な回避策になります。また、プロトコルはIPv6ではなく、IPv4を使用することで、トラブルを回避できます。トラブルを解決するという意味ではなく、しないよりも動作が安定するということです。今後は解析できるような体制を整備していきたいということでした。
端末、OS、回線、それぞれが水平分業している状態だと、問題切り分けが難しいうえに、窓口も分散されてしまいます。皆がXDAや2ちゃんねるで議論している訳ではありません。こうした解析情報はIIJだけでなく、他社もできるだけ公開して、うまく協業できるような体制ができると良いですね。
正直、文系の私はチンプンカンプンでしたが、興味深いセッションでした。
フリートーク
このセッションはIIJmioミーティングの醍醐味でもあります。登壇者の方の内容も濃ければ、質問者の方もかなり濃いです。話題にでたのは、先日発表された、GoogleのMVNOサービス、Project Fiです。Googleのネットワークの仮想化技術は高く、サービスを可能にしているということでした。また、米国はエリアによってキャリアの繋がる繋がらないのバラツキが大きいが、日本だと通信エリアの差はあまりないため、そのあたりはどうなのだろうかということでした。MVNO事業者とMNO事業者のPOI(相互接続点)の料金や、サングラスの話題など、濃い質問が飛び交います。このセッションは毎回楽しみです。
痛SIMが当たる抽選は7名が選ばれました。堂前さんの趣味だそうです。限定パッケージは面白いです。既存ユーザ向けにも1年たったら、クリアファイルが送られてくるとかあると、嬉しいですね。
次回は7月の予定です。告知はIIJのブログ「てぐろぐ」やTiwtterで行われます。申し込みは、ATNDからです。参加してみると、独特な熱気が楽しめます。